nature’s diary

日々感じていること・ボディートーク療法・心ヨガ・身体と心の話・

松本先生。

 

私は中学の時、国語の松本先生の授業がとても楽しみだった。

先生は、当時既に白髪で歳はとっていたものの、教壇に立つ姿は若く、背筋がピシッと伸び、強い眼差しで生徒たち一人一人を見ながら、エネルギーのある声を教室に響かせていた。

かといって、堅苦しい授業ではなく、授業内容はバラエティーに富んでいて、毎回内容が異なり教科書があってないような授業だった。

そんな松本先生の源は、きっと太平洋戦争中、東南アジアの戦地で戦った経験にあるように思う。

授業では、戦時中の話にも度々触れることがあった。

その話は十代ちょっとの私にはとても想像できるような内容ではなかったけれど、小説を読んでいるような、とても興味深い話だった。

 

中学三年の卒業間近に、先生が私たちにカードを渡してくれた。

それは、今でも大切にとってある。

そこには、直筆で『今を生きろ!』と言うメッセージが書かれてあった。

戦争を体験し、明日があるか、ないか分からない時間を過ごした先生だからこそ出た言葉なのかもしれない。

 

最近、今を生きるって難しいことだなと思っていた。

私たちは、過去に起こったことを後悔したり、悔やんだり、恨んだりする。

そして、まだ起きていないことに対して不安になり、心配になりあれこれ労力を使う。

一日のうち、今この瞬間にどれだけ向き合っているだろうか…。

 

私自身も今を生きることはなかなか出来ていないけれど、仕事をしている時は唯一今を生きているような気持ちになれる。

クライアントさんに寄り添い、向き合うことは、今に集中していないと出来ないことだと思うからだ。

仕事を通して、今を生きろ!今を生きる!を体現出来たらいいなと思った時に、ふと松本先生のことを思い出した。

 

中学生の私に響いた言葉が、やっと何か意味を持とうとしているのだろうか。

 

 

 

目線。

うちの子は今2歳と4歳。

まだまだ危なっかしいことばかりで、家でも外でも、子どもが何をしているのか、危険なことはしていないか、常に子どもを見ながら動いている。
それは、イライラしたり、ヒヤヒヤすることがほとんどで疲れることばかり、たまに何も考えずにボーッとしたいなぁと思ってしまう。

しかし、観察していると子どもたちも親のことをよく見ていることが分かる。
どこにいるのか、何をしているのか、自分を見てくれているか、自分が嬉しかった時を見てくれているか…などなど。

たまに、パッと顔を上げて子どもの方を見ると目があったり、目線を感じることがある。
そうするといつもにっこり子どもたちは笑ってくれる。
そんな時、子どもはいつから私を見ていたんだろう…、何度も見て気付いて欲しかったのかなぁと何となく申し訳ない気持ちになる。

やらなければならないことも沢山あるし、ボーッとしたい時もある。
でも、見逃してしまっている子どもたちの素敵な表情や瞬間もあるんだろうなぁと。

全ては受け止められないけど、今しかない子どもたちとのアイコンタクトを大切にしたいなぁと思う今日この頃です。

自転車。

昨日、4歳の息子が独りで自転車に乗れるようになりました。

負けず嫌いの息子。
年下の女の子が、目の前をスイス~イと自転車で通り過ぎるのを見て、自分も!と練習を始めました。

息子も一生懸命でしたが、後ろで自転車を支え練習に付き合う私も必死でした。
時に汗だくになり、時に北風に吹かれながら、声を張り上げて公園を駆け回り…。


でも、昨日は素晴らしい瞬間に立ち合えて本当に良かった!

なんだか懐かしい記憶も甦りました。
私も父と練習したなぁ~。
練習の時は植え込みに何度も突っ込んで傷だらけになったなぁ~とか。
初めて公園の外を走った時、緊張して何度もブレーキかけてクタクタだったことも。

そんな私も自分の子どもが、転んでは起き上がり、何度もチャレンジする姿を見ることになるとは。
乗れた時の息子の何とも言えない笑顔と目の輝きは、今でも思い出されます。
もしかしたら、私の時も父はそれを見ていたのかなぁ…。

きっと、子どもの頃の私にとって、自転車に乗れたことは、とても嬉しいことだったのでしょう。
そして自分の子どもが自転車に乗れた時の感動が、子どもの頃の私の記憶を呼び起こしてくれたんだと思います。

感動は、面白い化学反応を起こしてくれるものですね。

ん~、私もまた何かに熱くチャレンジしようかなぁ~☆

医師。

今『A-LIFE~愛しき人~』と言うドラマを観ています。
木村拓哉さん、竹内結子さん、浅野忠信さんが出演されている、病院を舞台とした医師のドラマです。

多分ドラマなので誇張されているとは思うものの、病院や医師、患者の置かれている状況がとてもリアルに描かれています。

人間の命を扱う職業、職場だけに、そこで働く人々は、自分をしっかり俯瞰して見ることが出来、また自分の立場や評価に踊らされることなくぶれない精神を持っていないと飛んでとないことが起こってしまう、当たり前ですが誰でもなれる職業ではないなぁと改めて思いました。

そして、『恐れ』と言うものが、医師にも患者にもとても大きな力を奮い、精神状態を揺れ動かしている最たるものであるとも感じました。

患者の死への恐れ。
家族の大切な人を失うことへの恐れ。
医師の命を扱うことへの恐れ。
評価、評判への恐れ。

他にも沢山の恐れが、このドラマにも描かれています。

人は『恐れ』を感じる時、そこへ執着し、大切なものを見失うことがあります。

しかし、そこから離れられた時、自分にとって、相手にとって本当に必要なことは、すべきことは、必ず見えてくるものなのだと言う希望もこのドラマで感じました。

これからドラマがどんな展開になるのか楽しみです。

そして、何となく自分が恐れていることは何かなぁと考えてみたくなりました。

皆さんは、どうですか?