感動が平和を呼ぶ。
最近、芸人の西野亮廣さんのブログを読んでいます。
絵本作家としても有名になられましたが、彼の発想や行動にハッとさせられる事が多く、刺激を貰っています。
さて、最近『戦争が無くならない理由』という題名のブログを拝見しました。
以前番組でご一緒されていたタモリさんとの会話を紹介してくれたものでした。
「戦争が無くならない理由はなんだと思う?
それはな、人間の中に『好き』と言う感情があるからだ。そんなものがあるから、好きな物を他人から奪ってしまう。また、好きな物を奪った奴を憎んでしまう。ホラ、自分の恋人をレイプした奴を『殺したい』と思うだろ?
でも、恋人のことを好きじゃなかったら、攻撃に転じることはない。残念だけど、人間の中に『好き』と言う感情がある以上、この連鎖は止められないんだよ。
『LOVE&PEACE』という言葉があるけど、LOVEさえなければ、PEACEなんだ。その生き方は、かぎりなく動物や植物の世界に近いな。ただ、『好き』がない世界というのも、ツマラナイだろう?
難しい問題だよ、これは。どうしたもんかね?」
何となく感じていた事をこの会話が分かりやすく表してくれているなと思いました。
そして、この話が元になり、タモリさんが原案・西野さんが書かれた絵本、「オルゴールワールド」を読ませて頂きました。
700年程経った未来の世界。
綺麗な場所を求めて上へ上へ住まいを移動した結果、空中帝国というものが出来、そこに住む人間カンパネラと見捨てられ変わり果てた地上の森に住む人間ヨナヨナのお話。
会うこともままならないほど切り離された二つの世界に住む人間二人が、出会い語り合う。
空中帝国に住むカンパネラの周りでは、まだ争いが起こり続けている。
森に住むヨナヨナはその話に、考えられないと驚く。
カンパネラはその原因に『好き』という感情がみんなにあるからだと話す。
ヨナヨナは『好きとは何?』と、森にいる人間には好きという感情がないと話す。
好き・・・何かを犠牲にしてでも守りたいもの。
ヨナヨナは、何かを犠牲にしなくてはならない事に同意出来ない。
色々な話をしているうちに、同じ人間なのにどうしてこうも違うのか?
そして、空中と森に住む人間は、同じ思いになれないのか?と考える。
そこから50年に及ぶ世界を繋ぐ為の魔法の準備が始まる。
カンパネラは空中帝国は勿論のこと、地球の周りの惑星や地上の森に住むヨナヨナにも届くようにと大きなラッパ型の筒を作る。
そして、出来上がったラッパから流したのは、ヨナヨナの森のお土産としてもらったアンモナイトのオルゴール。
このオルゴールの音を2人で聞いた時に、全く住む場所も価値観も違う2人が、美しい音色に同じ気持ちになれたのだ。
カンパネラの中で、オルゴールの音色は違う人間同士を繋ぐ魔法のように感じたのだった。
その魔法の正体は、『感動』。
私達は、『感動』を共有する事ができます。
美しい月、かわいい花、綺麗な音色、心打つ言葉。
これらは、説明がなくても、見聞きしただけで感じる事ができる。
西野さんは、その後も価値観の違う人間を繋ぐ『感動を起こす活動』を根底に進まれているように感じます。
私にも、何か感動を与える事ができるだろうか?
感動が世界を平和に、戦争のない世界にする日がくるのか?
沢山の人が、世界中の人が、『感動』したら、もしかしたら「好き」の感情を超えて、一つになる事が出来るのではないかと、小さな希望を持てた気がしました。